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就業規則で会社を守りましょう

最近増えてきた労働トラブル

東京都産業労働局から発行されている「とうきょうの労働」第1230号(2008年
6月)によれば、平成19年度に都内6箇所の労働相談情報センターに寄せられた
労働相談項目数は平成15年度に比べ約25%増の94,955件に増えています。
内容は「賃金不払」「解雇」「労働契約」で全体の27.9%、続いて「職場の人間関係」
「退職」と続いています。

労働法の知識が身近に 

近頃ではテレビで法律番組がバラエティ番組として人気を博すなど、身近な存在
になっています。労働法についてもマスコミに取り上げられる件数が飛躍的に
増えています。
またインターネットで比較的平易に調べることもできるようになっています。
労働法の知識が身近になることは喜ばしいことですが、こうした手段だけで
情報収集をしますと、場合によっては部分的な理解にとどまってしまい、
結果として「誤解」を生むきっかけになっています。

成果主義?終身雇用?

わが国でも人事制度に成果主義が取り入れられるケースが増え、終身雇用の
ように「今は理不尽でも長くがんばっていればよいことがある」という感覚より、
「今、主張できる権利は主張する」という風潮が強くなっています。
このため、会社で少し不満を持てば、「誤解」とあいまって労働トラブルに
発展するようになったわけです。
労働トラブルが増えているのは、残念ですがある意味で時代の流れを見ますと
必然なのかもしれません。

トラブルを予防する「就業規則」

トラブルが発生は、そのほとんどが従業員と会社との間で「誤解」が生じるためです。
社長から社員へ経営理念を示し、メッセージを明文化し就業規則を整備することは、
こうした「誤解」を防ぐためには非常に有効です。
また、「うちの会社ではこういうときにはこういう取り扱いですよ」と事前に決めてあれば
その事項についてモメることはほとんどありません。
その取り決めは「就業規則」を整備することでできます。

リスクの高い就業規則もある

就業規則は労働基準法で整備することになっている(常時10人以上の労働者を
使用する場合)ため、とりあえず雛形が市中に出回っています。(一般書店で市販
されていますし、労働局のホームページにもが掲示されています)
この雛形の名前を自社に書き換えれば、いちおう形式上は就業規則が
作成できてしまいますが、これは労務リスクマネジメントに数多く携わってきた立場から
しますと、非常にリスクが高いものです。
就業規則とは、上にも書きましたが「ウチの会社の取り扱い」を書いておくことで
「誤解」を予防するためのものです。しかしいわゆる「雛形」がそうした「ウチの会社の
個別事情を考慮した取り決め」をきちんと書いてあるはずがないためです。
他にも、「かなり前に作成した後ほとんど見直しをしていない」「作成はしたが
従業員に見せたり説明したりしていない」というのも、リスクの高い就業規則です。

 労務リスクに対応する「就業規則」とは

「誤解を予防する」ためには、つぎの2点を意識して就業規則を作成する必要が
あります。

(1)法律要件を反映させる 

ここ数年、労働基準法など労働法は度重なる改正がなされています。例えば・・・
・(平成20年3月)労働契約法の成立
・(平成19年4月)男女雇用機会均等法の改正
・(平成18年4月)高年齢者雇用安定法(62歳(当時)までの定年延長、継続雇用制度導入等)
・(平成17年4月)育児・介護休業法(育児休業期間の延長制度創設、
          子の看護休暇制度義務化等)
・(平成16年1月)労働基準法改正(解雇ルールの法制化、専門業務型裁量労働制、
          企画業務型裁量労働制の導入要件の変更、有期契約社員の採用、
          契約更新時等に関する基準の設定等)

就業規則にはこうした法律改正の内容を織り込む必要があります。
また記載しなければならない項目(絶対的必要記載事項)やルールがあるなら記載
しなければならない項目(相対的必要記載事項)も明記したり、常時10人以上の労働者を使用する場合は労働組合(または労働者の代表者)の意見書を添付し就業規則
を労基署に届け出なければなりません。

(2)会社での取り扱いを記載する

例えばどういう場合に時間外勤務を支払うのか、どうなると解雇になるのか、など
会社での取り扱いをなるべく具体的に記載する必要があります。
その取り扱いに社長の思いを込めるのです。(もちろん順法の範囲で、です)

就業規則で会社を守りましょう

ひとたび労務トラブルが発生すると、その対応工数で会社は大きな損失を
こうむります。また万一裁判にでもなって敗訴になろうものなら、さらに損失は
拡大してしまいます。
就業規則をしっかり整備し、会社をそうしたリスクから守りましょう!

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